問題は昨年度同様、大問1~4の構成。昨年度と大きく異なるのは、7割程度がマーク式で解答する問題になったことです。また、配点は大問1『小問集合』(51点)、大問2『関数』(15点)、大問3『平面図形,図形の合同』(16点)、大問4『総合問題(平面図形,一次関数)』(18点)でした。
以下、大問ごとに解説とポイントをお伝えします。また各問題に難易度をつけました。★☆☆は絶対落としたくない問題、★★☆は周りと差をつける問題、★★★は中堅~難関校合格のカギとなる問題です。是非参考にしてみて下さい。
【目次】
(1)①正の数と負の数★☆☆…計算の順番と符号のミスに気を付けましょう。
(1)②文字を用いた式★☆☆…文字の位置(分子 or 分母)に注意して解きましょう。
(1)③根号を含む式の計算★☆☆…単純な展開の問題。√3と-2√3を計算してから√7をかけると、式が短くなりミスも減ります。展開後の整数の計算も忘れずに。
(2)①文字を用いた式★☆☆…問題通りだとx²+2x=5ですが、選択肢は5を左辺に移行しています。
(2)②二次方程式★☆☆…解の公式に当てはめる問題。-2と-2√5をそれぞれ約分することを忘れずに。
(3)①標本調査★★☆…標本調査とは集団の中から一部を取り出して調査し、集団全体の傾向を推測する調査方法。それに対して全数調査は集団の全てについて行う調査方法です。標本調査はある程度正確であれば良いので、イ(川の水質検査)が正解になります。ア(国勢調査)は世帯構成等を調べるため、全数調査で行います。ウ、エも一部で全体の傾向を推測するのは難しいですね。
(3)②標本調査★☆☆…オレンジ色の玉は30個に対して、3個含まれていました。それに対し、白い球は?個に対して、7個含まれていることになります。1/10がその球の抽出されると推測できるので、白い球は70個入っていたことになります。
(4)①空間図形★☆☆…展開図を元に戻したとき、エは面が重なってしまいます。
(4)②空間図形★★☆…最短距離は直線で結ぶことを覚えていれば、簡単に解くことができます。①のアの展開図を利用して計算するとわかりやすいですね。
(5)①不確定な事象の起こりやすさ★☆☆…y=xになるのは(1,1)(2,2)...(6,6)の6通りなので6/36=1/6になります。
(5)②不確定な事象の起こりやすさ★★☆…4cm以下に注目しましょう。OPの長さはすべて斜辺なので、三平方の定理を使い、4cm(√16cm)以下になる座標を探しましょう。例えば(3,3)の座標はOP=3√2=√18なので、4cm以上になりますね。したがって、(1,1)(1,2)(1,3)(2,1)(2,2)(2,3)(3,1)(3,2)の8通りが4cm以下になり、8/36=2/9となります。
(6)①平面図形★☆☆…共通の弧BCの円周角は等しいので∠CDB=63°=∠BACになります。
(6)②平面図形★★☆…∠AEC+∠ECA=∠CAB(三角形の内角と外角)なので、∠ECAは25°になります。①同様∠EBDは25°になり、∠BEC+∠EBD+∠ECA=∠BFC(※ブーメランの法則)になるので、88°になります。
※ブーメランの法則は三角形の内角と外角の法則を2回使えば証明できます。
(7)①空間図形★☆☆…底面の円の半径をxと置くと、その円周は2xになり、扇形の弧と等しくなります。また扇形含む仮の大きな円を作ると、その円周8xになります。円周の1/2が半径になるので、扇形の半径は4xになり、底面の円の半径xの4倍になることがわかります。
(6)②平面図形(作図)★★☆…①で求めた、半径が4倍であることに注目しましょう。まず、扇形の頂点(大きい円の中心)から点Aを通る直線ℓを引きます。次に扇形の頂点と点Aの垂直二等分線を引きます。その二等分線と直線ℓの交点をBとします。また、交点Bと点Aの垂直二等分線を引きます。その二等分線と直線ℓの交点をCとします。垂直二等分線を二回引いているので、点Aから交点Cまでの長さは扇形の半径の1/4なります。最後に、点Aを中心に交点Cを半径として円を描きます。その円と直線ℓの交点が、底面の円の中心Oになります。
(1)①関数y=ax²★☆☆…点Pはy=1/2x²のグラフ上にあるので、x=3を代入し、2/9となります。
(1)②関数y=ax²★☆☆…点Qと点Pはy軸から等しい距離にあるので、p=3のとき点Qのx座標は-3,y座標は9/2になります。また、点Rのx座標は点Pの2倍なので6となり、y座標は18となります。点Q(-3,9/2)と点R(6,18)で連立方程式を作れば、2点Q、Rを通る直線の式y=3/2x+9が求められます。
(1)③関数y=ax²★★☆…点Pのx座標をpとすると、HS=2PQ=4pになります。点Sのy座標はOH(1/2p²)+HS(4p)=1/2p²+4pとなります。点Sと点Rのy座標は同じで、点Rのx座標は点Pのx座標の2倍なので点Rの座標は(2p,1/2p²+4p)になります。点Pはy=1/2x²のグラフ上にあるので、代入すると1/2p²+4p=2p²になり、解くとp=0,8/3になります。P=0の時は問題が成り立たないので、8/3が答えとなります。
(2)図形の合同★★☆…(1)でEB=EC①が証明されており、∠BEF=∠CEA=90°②もすぐわかります。等しい辺は探せそうにないので、「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」の合同条件を使うと予想し、∠EBF=∠ECAを証明できるよう進めていきましょう。
対頂角は等しいので∠EFB=DFC③、また∠BEF=∠CDF=90°で、三角形の内角の和は180°だから、∠EBF=180°-∠BEF-∠EFB=90°-∠EFB④になります。そして同様に、∠ECA=∠DCF=180°-∠CDF-∠DFC=90°-∠DFC⑤になります。③④⑤より∠EBF=∠ECA⑥となり、①②⑥で先の合同条件がすべて揃います。
(3)図形の相似★★★…△ABD∽△FCDに注目しましょう。FDをxとすると6:(15+x)=x:9になり、x=3が導けます。すると、△FCDの比が1:2:√5になるのでFC=3√5だとわかります。次に、△DCF∽△EBFなので、相似比は15:3√5=5:√5になります。面積比は2乗なので25:5=5:1となり、△FCDの面積は9なので、9×5=45が答えとなります。
(1)②図形の相似★☆☆…AB:PQ=1:4のとき、OM:ON=1:4なので、OM:MN=1:3になります。
(1)③一次関数★☆☆…直線OEの傾きは1/4なので、y=1/4xが直線OEの式になります。x=10との交点なので代入すると、y=5/2が出てきます。
(2)(a)一次関数★★☆…直線O´Hの傾きはxの増加量が6、yの増加量が-(n-1)なので、-(n-1)/6となります。また切片はnなので整理すると、y=-(n-1)/6x+nが直線O´Hの式になります。x=10を代入し、計算をするとy(p)=-2/3n+5/3となります。
(2)(b)一次関数★★☆…直線O´Fの傾きはxの増加量が4、yの増加量が-(n+1)なので、-(n+1)/4となります。また切片はnなので整理すると、y=-(n+1)/4x+nが直線O´Fの式になります。x=10を代入し、計算をするとy(q)=-3/2n+5/2となります。
(3)一次関数★★☆…PQ=p-qなので、(2)で求めたp,qをそれぞれ用いて-2/3n+5/3-(-3/2n+5/2)の式になります。整理すると5/6n+25/6になり、これが100になるので5/6n+25/6=100を解きましょう。両辺を6倍して整理すると、n=115にたどり着きます。
【まとめ】
新しい問題構成にも慣れ、基本的な問題が多く解きやすかったのではないかと思います。標本調査の問題形式には『身近にある数学』を意識させようという意図を感じます。また確率も単純なものではなく、自分で仮説を立てて解き進めていくものでした。
入試問題はどうしても難問奇問をイメージしますが、千葉県公立入試の問題はいたって基礎的なものが多く、順序だてて数学的思考ができれば答えを導くことができます。学校の教科書やワークの基本問題を解き『なぜその答えになるか』『答えを出すまでの順序は論理的か』を意識するとよいでしょう。
基本的な入試攻略のポイントは『簡単な問題をスピーディーに解き、かつケアレスミスをしない』『その分、難問に時間をかける』の2点です。一見難しそうに見える問題も、しっかり読めば意外と簡単に答えが出ます。焦って得点できる問題を落とさないためにも、『より早く・より正確に・より深く』を心掛けて学んでいきましょう!
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