510.「★近況・その1:吉崎くんの『シングオン・アカデミー』に思う」

※神余くんの世界史あいらんど…河合塾世界史講師「神余秀樹」先生(吉崎の恩師)の“ちょっとdeepな”世界史をご紹介します。

暑中お見舞い申し上げます。

もう何度目かの感染拡大やら、元総理の暗殺やらetc.世間は何かと騒々しいようですが…。

僕は元気です。あい変わらずのマイペースです。

 

★近況・その1:吉崎くんの『シングオン・アカデミー』に思う

 

◆6月18日、本HPもお世話になっている吉崎くんシングオン・アカデミーが、テレビ東京『生きるを伝える』で紹介されました。学生時代、視力にハンディキャップを負った彼が、学習塾を起ち上げ、子供たちに向き合う話などが語られています。

一身上の重大な危機を、悲劇でなく雑談のノリで、彼は軽くサラリと言ってのける。挫折も失敗もチャンスと考える“発想の転換”にもつながるのかも知れない。(僕自身も、かつて身内に同様の状況があった経験では、結果的に片方の視力だけですんだにせよ、渦中にあった当時は、今後これが全身に波及したらどうなるのかといった不安も。また、年寄り以上に若い人ならば将来への不安や精神的な負担は大変だったはずです。)

 

ところで実は、ミュージシャンの顔も持つ吉崎君。

テレ東・放送の、その2日後の話。
◆6月20日、神楽坂のライヴハウスに僕も招待されていた。少しのぞいてみた。なかなか凄い。挺不錯ting bu cuo!他のミュージシャンの方々数名とのコラボ企画ということだったが、ほとんど「吉崎さとし」の独り舞台。ワンマン・コンサートの感も。「あいつ、こんなに歌、上手だったんかぁ」と妙に感心。僕も懐かし、中島みゆきの曲も。(僕も中学の頃、ギターで吉田拓郎の真似♪でした。学生時代はサザンよりみゆき。昨今はみゆきよりサザン♪です。)

 

話を彼の塾に戻します。

その子の力を最大限に引き出す」と。いい仕事をしてるよな。

なかなかリスベクタブルな「教育者」が、そこにはいた。

「教育」というのは学校だけにあるんじゃないんだなあと、変に納得(ヨビコー講師が言うかぁ?笑)。

僕はどうだっただろう? 自分では「教育者」ではなく「大道芸人」「教壇のプロレスラー」を自任していた(ついでに「情報職人」とも)。当時のK塾の教務部長は「まあ、かなまるセンセ。私らは芸能プロダクションみたいなもんですけんのぅ…」と。(「学校法人」という名の、税金対策も含め。)

たしかに、90年代頃のヨビコーは、大教室に“密”に生徒をつめ込んで、マイクを使ったマスプロ授業。「集めてナンボ」のビジネス・モデル。それはそれで成功だった。

卑下しているわけではない。芸人さんや、プロレスラーに学んだこともしばしば。ヨビコー講師にも、それなりのプロ意識があった。

が、それも時代とともに大きく変わったことも確か。今や、オンライン端末と個別指導の時代なのかな? などとも思う昨今です。

――――この話は、また形を変えて続きそうです。


〈神余秀樹先生プロフィール〉

 1959年、愛媛県に生まれる。広島大学文学部史学科卒。民間企業勤務などを経て受験屋業界の“情報職人”となる。あふれる情報の山に隠れた“底の堅い動き”。“離れて見ればよく見える”。さらに“常識から疑え”。そんな点も世界史のすごみかと思う。

 目標は「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」。学校法人河合塾世界史講師。

【著書】

『神余のパノラマ世界史(上・下)』(学研プラス、2010初版・2015改訂版)

『世界史×文化史集中講義12』(旺文社、2009)

『超基礎・神余秀樹の世界史教室』(旺文社、2018)